白銀の髪が空の青によく映える。

 そよぐ風の中に、使いの気配を感じ、少年は手を頭上よりも上へと上げた。

 掲げた腕に白い小鳥が停まる。

「石板の封印が解かれた? …鍵か、それとも魔族か……いずれにせよ確認する必要があるな」

 そう言うと、少年は足元に転がる大きな石に何か文字を書くと、小さく呪文を唱えた。

「…カシェ」

 少年の言葉と共に文字が薄く光り、封印が施された。

「この地の魔軍は治めた。丁度良いし、移動しよう」

 話し掛けられた言葉を理解しているかのように、小鳥が頷くのを見て少し笑うと、少年は北に向かった。