目を閉じると、無限に暗闇が広がる

「ここは・・・・・・どこだ?」

 不安になる心とは裏腹に、何故か安息の気持ちも湧いて来る

 歩いても歩いても ただ広がる闇

 次第に歩いているのかさえもわからなくなる暗黒

(なのに、なんで俺は安心しているんだろう・・・)

 一緒に居た筈の人が居ない

 でも、それも当然な気がしている。
 それと同時に違和感にも感じている。

 己の背後に仄暗い光の気配がする

 それがきっと『一緒に居た筈の人』なのだろう

 しかし、足はどんどん光から遠のいて行く

(だって、呼んでるんだ…)

 声のする方へ

(俺を、求めてる……)

 声のする方へ

(必要だと、叫んでる……)

 声のする方へ

(低く、深く、激しく、渇望してる…………)

 声のする方へ

(力が欲しいと望んでる………………)


  力が、欲しいか?


(欲しいのは、お前じゃないのか?)


  力が欲しいか?


(俺は……力が…………)


  欲するならば来い! 我が元へ


(俺を、呼んでいる)


  我が元へ来い! 召喚されし我が『器』よ!!