トラブル
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「ジャン・ケン……ポン!」 グーの群れにパーが一つだけ。 「よっっっしゃぁあ!」 「つー事で、体育館の使用権はダンス部に決定ー」 一番入りやすく、人を集めやすい体育館。音響、照明共に最初から備わっている素敵な場所。そこを取り損ねた部活の落胆ぶりは激しかった。 「マジかよ溝口ぃ〜…」 「マジです」 体育館、と言う事で場所取り合戦の仕切り役は体育部長の溝口冴が行っていた。と、言う事はあの事実を各部に伝えるのも会長では無く溝口の役目になってしまったのだが……。 「ウチ等演劇部はどーすりゃいいのよ…」 「ん〜…がんばれ!」 「普通教室でどう頑張ればいいのさ!」 「一生懸命?」 「……あんたじゃ話しにならないって忘れてたわ」 「他の生徒会役員じゃもっと話しにならんぞ?」 「なお悪い!」 ぶつぶつとどうにもならない怒りを漏らしながら、解散しようとする各部部長を溝口が引き止める。 「でぇ、皆に悪い知らせなんだけどー!」 「これ以上何があるんだ?」 「今回放送部の支援は一切受けられないのでそこんとこ宜しく!」 「…………はい?」 「今なんてのたまいました溝口さん?」 「がんばれ」 「ど〜しろと言うんだ! 体育館でラジカセ使えってか!」 「ちょっと待て、もしかして…グラウンドとかの室外部も自分でやらなきゃならないって事か?」 「直接交渉は御自由に」 そう口にした途端誰も居なくなった。速攻で放送室にダッシュされたからだ。 (がんばれー、放送部) どこまでも無責任な生徒会である。 |
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馬高校放送部喜談